紫御殿†Purple heart
そう、いずるの声が聞こえた

私は振り返り

考えるよりも先に

彼の胸に飛び込んだ。

そして、真赤な瞳で
彼を見つめた。

「どうした、レイ
 目が赤い、泣いたのか?」

「ごめんなさい
 こんなところで抱きついたり
 して誰かに見られたら・・」
  
私が、いずるから離れようと
したその時

貴方は私の腕を掴み
引き寄せて、その胸に優しく
抱きしめてくれた。
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