紫御殿†Purple heart
潤む、赤い瞳で私は
貴方を見つめた。

「そんな顔で
 そんな事言うな
 俺の理性が失われて行く
 
 レイ、俺はお前の事を
 大切に思っている
 昨日の今日で
 お前に触れるような事
 俺にはできない
 
 お前が大事だから
 分かってくれるか?」

私の頭を優しく、貴方は
撫でてくれた。

「いずる
 困らせてごめんなさい
 私、帰るね」

「今日は、もう遅い
 車で送って行くよ
 付いておいで」

繋がれた手。
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