紫御殿†Purple heart
知っている、香り。
 
浅緋の部屋と同じ、香り。

美術室・・・

浅緋の温もり口づけを思い出す

「レイ、どうした?」

「何でもないよ、この香り
 知ってる
 ハチヤ先生の部屋と
 同じ匂い」

「ああ、アサヒも絵を描く
 からな」

立掛けられた絵を

貴方が手に取る。

「うわ~、綺麗」

「どうぞ」

繊細さと激しさが交ざりあう
動感に満ちた絵が描かれた
キャンバスを差し出す貴方。

「触れてもいいの?」

「いいよ」
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