紫御殿†Purple heart
私は毎日、浅緋の事を思う。

私の記憶の全てに、浅緋がいる

私の中に、あなたがいる・・・

『ミオ・・・・・・』

浅緋は、彼女の事も名前で呼ぶ。

どうしてなの?

「そんな、難しい顔して
 読むような本だっけ 
 それ」

私が開いたまま見つめる続ける
本を、貴方が指差すとそこには
色の名前と、その色調が
紹介されていた。

「レイは、紫が好きだな
 あの花といい」

開かれたページにも、紫色が
紹介されている。
次のページにも・・・

「私の好きな色
 こんなにも種類があるなんて
 ・・・・・・
 いずるは、どの色が好き?」

いずるは、私から本を取り
ある色を、指差した。

「この色だよ」
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