紫御殿†Purple heart
その愛の言葉は
私に向けられていると
そう、思っていた。

横を向いて眠る私を後ろから
抱きしめる、いずる。

抱きしめた後、首にかかる
長い黒髪に指先で触れる。

そして、私の首筋に
キスをした。

求められる喜びに
胸が高鳴った直後に

今度は
はっきりと聞こえる声。

「姉さん、愛している」

貴方は私に熱い口付けをした

離れた直後、貴方はまた
すやすやと寝息を立てて
眠る・・・
< 221 / 578 >

この作品をシェア

pagetop