紫御殿†Purple heart
「ありがとうを言うのは
 私だよ
 いずる、私の我が儘を
 聞いてくれてありがとう
 もう、先生を
 困らせたりしないよ」

「俺が、お前の先生なのも
 たった一学期だけだ
 夏休みに入る前までさ」

「そうだね
 じゃあ、夏休みには
 いずるの傍に、ずっと居ても
 誰にも文句言われないね」

「ああ」
 
貴方は腕の力を強め
私を抱きしめた後
そっと、私から離れた。

「行って来ます」

ドアを開け放つ。

そう、この恋は走り出した・・
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