紫御殿†Purple heart
私は、携帯電話を手に
時間を潰す。

女子トイレの鏡の前で
私は髪を梳かし
リップを塗る。

いつもは、忙しない
朝の時間

今朝は、穏やかに過ごす。

早起きもいいものだな~。

トイレを出て、ハンカチで
手を拭く私に届く生徒の声。

時計は、8時

廊下を歩く、生徒の姿も
ちらほら・・・

私の教室から聞こえてくる
笑い声。

部活を終えたクラスメート
でも戻って来ているの
だろうと、気にも留めずに
廊下を歩く私に生徒の声に
紛れて、浅緋の声が聞こえた。

「じゃあ、預かっとくわ」
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