紫御殿†Purple heart
後ろのドアから出てくる
浅緋は、キャンバスを
手に持つ。

こんな時間に、浅緋がいる。

「そうだ、先生、お昼休みに
 美術室
 使ってもいいですか?」

その声は・・・

浅緋の後から教室を
出てくる彼女。

やっぱり
鴨下さんの声だった。

「ああ、教室の鍵
 開けといてやるよ」

立ち尽くす私に

浅緋は気づく。

「レイ、どうした?
 今朝は、早いなぁ」

「先生、何してるの?」
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