紫御殿†Purple heart
「ああ、校内に貼ってある
 ポスターを部員と外して
 新しいポスターに
 貼り変えたんだ」

浅緋の指差す方向に
『廊下は走らないように』
と書かれたポスターが
貼られていた。

「終わったの?」

「ああ、ここが最後だ」

彼女が、貴方の名前を
呼んだ。

「あの、ハチヤ先生」

振り返る、貴方は言う・・・

「何だ、ミオ?」

「早く、戻った方が
 いいんじゃないですか?
 部長が待ってますよ」

彼女の瞳は、浅緋を見ている
ようで見ていない。

そう、その先にいる
私を見つめて
勝ち誇ったように
微笑んでみせた。
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