紫御殿†Purple heart
登校して来た生徒達で
廊下は賑やかになる。

「ハチヤ先生
 おはようございます」

「先生、こんなところで
 何してるの?」

「おう、おはよう
 ちょっと、野暮用でな
 
 じゃあな、レイ」

私の隣を通り過ぎる浅緋に
私は呟いた。

「どうして
 彼女のこと・・・」

煩い周りの声に掻き消される
私の声。

「レイ、何?
 聞こえ・・・」

「レイ、おはよう
 今日は、早いんだね
 
 ハチヤ先生まで
 どうしたの?」

七海の大きな声を聞いた浅緋
の顔色が変わる・・・
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