紫御殿†Purple heart
きっと、浅緋は気づいただろう。
私が、二人の事を見ていた事に
・・・

何も、変わらない・・・

綺麗にお化粧をし終えた
私の瞳から、どんどん
涙が流れていく。

その涙を手で拭う私・・・

今の私は、メイクを気にする事
も忘れ、泣いていた。

階段を、誰かが勢いよく
上ってくる音が聞こえる。

その足音は、私の部屋の前で
止まり、ドアが開いた。

開くドアの前に、浅緋がいる。

貴方は、ドアを閉め

鍵をかけた。

そして、私の名を呼ぶ。

「レイ
 泣いてると思った・・・」
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