紫御殿†Purple heart
俯く私の頬を流れていく
涙に気づいた貴方は

優しく声をかけた。

「レイ、何かあったのか?
 今日のお前、変だぞ

 明るく振舞ってると
 想ったら、泣き出すし
 
 昼飯の時も、映画を観てる
 時も、心ここに有らずで
 何かを考えていただろう

 どうした、何があった?」

優しい貴方の言葉に
涙が止まらない。

「何も無いよ・・・

 ただ、いずるをもっと
 近くに感じたいだけなの

 感じていないと、私・・・

 寂しいよ・・・」

本当は、貴方に抱かれて
眠りについて、浅緋の事を
忘れさせて欲しかった。

ふと、頭を過ぎる・・・

浅緋への想い・・・

貴方の腕の中で、考える
余裕なんてない程に
愛されたい。
 
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