紫御殿†Purple heart
荒い息を吐く二人は
さっきの場所から
遠く離れた、この場所で
立ち止まる。

貴方の手が解けそう
になった。

その手を、今度は
私が握り締める。

「放さないで

 お願い・・・」

「ああ
 レイ、高校を卒業したら
 俺と一緒にならないか?」

「・・・嘘?」

貴方は、真剣な表情で
私を見つめた。

「本気だよ
 
 お前の、この手に
 ずっと、触れていたい

 そして、この手に
 触れるのは俺だけがいい」

私は、貴方の肩に腕を回して
抱きついた。

「お前に触れるのは

 俺だけがいい

 駄目か?」
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