紫御殿†Purple heart
浅緋が

離婚したかも知れない。

なぜなら、左手の薬指を
独占していた指輪が
外されている。

「ねえ、ハチヤ先生
 指輪してないよ」

「うそ~」

目敏い生徒の、発した一言は
生徒から生徒へと、噂となり
学校中に広まった。

休み時間には、職員室に
群がる生徒の山。

「本当だ、してない・・・」

「やったぁ~」

その日は、誰も彼もが
浅緋の話でもちきり・・・

大袈裟な話では無く

学校中が、揺れた・・・

挙句の果てに、真相を知りたい
生徒達が休み時間の度に
私の教室まで押し掛けて来る
始末。
< 289 / 578 >

この作品をシェア

pagetop