紫御殿†Purple heart
浅緋の指先が私の頬に
触れる。

「青白い顔して・・・」

「一人で、大丈夫だよ」

授業を知らせるベルの音

「ほらっ、行って
 授業が始まるよ」

「レイ、家に着いたら 
 俺・・・
 
 いずるにメールしろ
 心配するから・・・
 分かったな」

「うん」

私は、頷いた後
急いで戻って行く浅緋の
後姿を見送った。

校門の前・・・

彼女は私を呼び止める。

「ミウラさん・・・」

「カモシタさん
 あなた、どうしてここに
 授業は・・・?」
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