紫御殿†Purple heart
「まあ
 ありがとうございます

 後で頂きますね」

リビングに通される貴方の
傍に、私は近づく。

「レイ、大丈夫か?」

貴方の手が、私の頭に触れた。

「大丈夫だよ
 
 ・・・ありがとう」

貴方の耳元に、そう告げると
貴方は微笑んでくれた。

母は、突然の御客さまに
とっても大喜びで、一人
浮かれている。

「イズルさんも、アッちゃんと
 同じ学校の先生だったなんて
 ・・・
 まあまあ、うちの娘たちは
 先生が大好きね
 
 しかも、面食い・・・」

「ママ、そろそろ
 質問はそのぐらいにして
 二人きりにさせてあげたら
 
 イズルさんだって
 レイのお見舞いに来て
 これじゃあ
 疲れるでしょう」

こういう時の、里湖ちゃんは
とっても心強い。
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