紫御殿†Purple heart
貴方の唇が

私の唇に触れた。

私は、目蓋を閉じる。

口づけは、止まらない。

心臓がバクバク・・・

呼吸は乱れる。

止まらない・・・

やっと、離れた唇。

抱き寄せる貴方の腕の中

「しばらく、こうしてよう」

貴方は、私の頭を優しく
何度も何度も撫でてくれた。

心地よい・・・幸せな気分。

その手の感触が、ふと
浅緋の手の感触に変わる。

浅緋の温もりに・・・変わる。

愛しい人の腕の中で
私は、違う人の温もりを
思い出してしまう。

違う人の温もりを探す・・・?
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