紫御殿†Purple heart
頬に翳した手が、今度は
私の頭に触れ、優しく撫でた後

貴方は、その場に立ち上がった

いずるが、帰ってしまう・・・

「頭痛なら
 もう、大丈夫だよ

 もう少しだけ、ここに・・」

貴方の手に、触れる私の手。

見上げる瞳・・・

「駄目だ
 ほらっ、もう寝ろ
 
 ・・・・・・レイ
 どうした?」

私の瞳から涙がポタポタと
落ちる。

「やっぱり、痛むのか?」

私に、問いかける優しい声。
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