紫御殿†Purple heart
「レイ、どうした?」

優しく触れる貴方の手。

放したくないけど・・・

「レイ?」

「何でもないの
 ごめん・・・
 
 先生、ほら
 もう、帰っていいよ
 
 本当に私のことは
 もう、いいから・・・
 
 先生も忙しいでしょう」

ベッドから立ち上がる私の手に
触れた貴方は、自分の方へ
引き寄せて、私を隣に座らせた

その力は、凄まじい。

そして、私をベッドに押し倒す

私を見つめる貴方の瞳が
鋭く、尖る。

「怒ったの、先生?」

「先生なんて、呼ぶな
  
 今は、そう
 呼ばれたくない」
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