紫御殿†Purple heart
いずるは、私が寂しく
思う事のないように

甘いキスを、これでもか
ってくらいに与えて
帰って行った。

今も、私の唇に貴方の唇の

感触が残る・・・

「レイ、さっき・・・」

「ママ、少し眠るから
 起さないでね」

「ええ・・・」

重なる声・・・

母の声よりも、私の声が
勝ってしまう。

先生が帰った後、私は
すやすやと眠りについた。

晩御飯も食べずに・・・

毎週欠かさずに見ている
連続ドラマも
見逃してしまう程
深い眠りにつく。
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