紫御殿†Purple heart
休みの間、私は自分に
言い聞かせる。

『レイ、絶対に
 泣いちゃいけない
 絶対に・・・』 

翌朝、七海と登校した私は
廊下で浅緋とすれ違う。

その時が来た・・・

私は、深呼吸をつく。

「ミウラ
 
 もう、大丈夫なのか?」

「はい・・・」

私は、泣かない。

隣で歩く、七海は
私の顔を覗き込み
首を傾げて言う。

「レイ・・・?」

美浦・・・

そう浅緋、貴方に

名字で呼ばれる事に

私は、いつかきっと
慣れる時が来る。

それが、当たり前になる。

今は少し・・・心悲しい。

< 325 / 578 >

この作品をシェア

pagetop