紫御殿†Purple heart
「・・・
 でも、こうして毎日
 貴方達と接する内に
 だんだんと教師という職業が
 楽しくなり、この教壇に立つ
 事ができる喜びを感じる私が
 いました
 
 それも、こんな私を先生
 として受け入れてくれた
 皆のおかげです
 ありがとうございました  

 この場所を離れる事は
 とても寂しいですが
 素敵な時間を皆と共有できた
 思い出を、大切にします
 ありがとう・・・」

そう、教壇に立ち、生徒に語る
貴方の凛々しい姿を
私は、ずっと見つめ続けた。

教室内は、拍手の嵐・・・

先生への御礼の言葉を
述べる生徒の声で賑わう。

こうして、幾日が過ぎ

いずるは、この学校を
惜しまれつつも出て行った。

いずると私はもう

生徒でも教師でもない。

学校で、貴方と逢う事は
もう無いのだと思うと
ほんの少しだけ
寂しい気持ちになった。
< 329 / 578 >

この作品をシェア

pagetop