紫御殿†Purple heart
貴方は微笑んだ後
私の胸に耳を当てて
甘えてみせた。

「お前の鼓動が聞こえる」

頼まれた教員の仕事を終えた
いずる。

その後は、いつも家に居て
私は、そんな彼に逢いに
出掛けて行く。

彼のマンションの傍で
念の為、私は帽子を深く被る。

そして、いずるの部屋で
時間を忘れてじゃれ合い
会話を楽しむ。

そんな日々が過ぎた頃
いずるは、やっと以前の
作家としての仕事に復帰する

アートギャラリーで行われる
個展に参加する為に
ギャラリストの人と打ち合わせ
をして展示会の日程を決める等
大変、忙しくしていた。
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