紫御殿†Purple heart
私は、ただ

似合ってるよ

可愛いよ

その一言を貴方から
聞きたかっただけなの。

その一言が
欲しかっただけ・・・

貴方に、今の私を
見て欲しかっただけなの。

だけど、貴方は
私から目を逸らした。

それは、まるで
変貌を遂げた私を
見たくないように・・・

前だけを見て、車を運転する
貴方の横顔が私を苦しめる。

悲しい・・・

夜道を、一人で歩く

そんな私を呼び止める声が
聞こえた。

大きな声で貴方は
私の名を呼ぶ。

「レイ」

『ミウラ・・・』

貴方は、また

その声で

私の名前を
呼んでくれるの・・・?
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