紫御殿†Purple heart
「いずるは、私を
 大切にしてくれたよ
 私を受け入れて
 愛してくれた・・・
 
 だけど、彼は寝言で
 『姉さん、愛してる』
 そう、言ったの

 私はずっと、その言葉が
 引っかかっていたけれど
 結婚を約束してくれた
 彼を信じる事ができたの

 だけど、今回の件で私
 分かったの
 
 彼は、やっぱり亡くなった
 お姉さんの事が好きで
 
 私を見ていない・・・」

立ち上がる浅緋・・・

「レイ、お前は
 いずると別れることが
 できるのか?
 
 以前、お前は俺に言った」

『いずるとは別れられない』

私は、浅緋の腰元に
そっと腕を回して
抱きつき、囁いた。
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