紫御殿†Purple heart

愛してる

私は、隣に住む
ずっと年上の浅緋に
恋焦がれていた。

貴方と繋ぐ手・・・

「もう、放さない」

失ったはずの初恋

今、この手にある。

浅緋が見つめる先には
時計がある・・・

繋いだ手に力を込めて
私は、貴方の腕に甘える。

「アッちゃん

 帰りたくないよ

 貴方の傍で眠りたい」

貴方は頷き、囁く。

「ここに居て、俺の傍に」

私は、以前

全く、同じ言葉を

あなた・・・

いずるに言った。
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