紫御殿†Purple heart
『いずる・・・』

私は、いつの間にか
貴方の名前を呼んでいた。

「レイ
 お前を愛してる
 
 それが俺の
 本当の気持ちだよ

 レイ
 お前だけを愛してる」

「じゃあ、聞くけど
 私がこのまま、この明るい髪
 を元の黒髪に戻さなくても
 貴方は、私を愛してるって
 言える?

 私が、この髪をリコちゃんの
 ように短く切っても
 似合ってるよって言える?」

「ああ、言えるさ」

「言えないよ
 貴方は、きっと言えない
 
 ううん

 貴方は、きっと
 また、私に言うわ

『姉さん、愛してる』と・・」

涙が、頬を伝う・・・

悲しい気持ちに支配される。
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