紫御殿†Purple heart
『おやすみなさい
 いずる・・・明日』

聞こえる、澪の足音・・・

浅緋は、ドアを離れ
ベッドへと戻り
寝たふりをする。

寝室に戻った私は
携帯電話を鞄に仕舞う。

そして、横向きに眠る
浅緋の腰元に右腕を回し
広い背に左手で触れる。

その背に、額を寄せ
目蓋を閉じた。

静寂の中

聞こえる

いずるの声・・・

『レイ

 お前だけを愛してる』

いずるの愛の告白に
胸が騒がないはずが
無かった。

私は、深呼吸をつく。
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