紫御殿†Purple heart
浅緋の言葉に驚いた私は
きっと、キョトンとした
顔をしていたに違いない。

貴方は、少年のように
ニコっと微笑んで私から
離れ起き上がろうとした。

その背中に両腕を回した
私は、体重を掛けて
貴方を引き寄せる。

今度は、浅緋の顔が
驚いている。

貴方の望み

それは、私の望み

「抱いて、アサヒ
 
 愛してる・・・」

いずると話す澪の悲しい声に
ほんの少し、彼女の自分への
気持ちを疑ってしまった浅緋。

『レイは
 いずるを愛している?』

俺を見つめる、この瞳

昔と変わらない・・・

恋する瞳。

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