紫御殿†Purple heart
「これこれ
 鮭のロールキャベツ
 クリーム煮

 材料は・・・」

浅緋の机からボールペンを
取った私は、左手を広げて
手の平に、材料を書こうと
した。

「レイ、今日は家に帰れ
 
 ここ、五日ほど
 お前、帰って無いだろう?」

私は手に、ペンで字を
書いていく。

キャベツ・鮭缶・・・

「帰ってるよ
 アッちゃんが
 学校に行ってる時・・・」

「それを、帰ってるとは
 言わない
 
 今日は、ちゃんと帰って
 家で飯食って
 風呂入って、寝ろ

 分かったな?」

「嫌だって言ったら・・・」

「駄目だ、言わせない」
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