紫御殿†Purple heart
「いやっ・・・」

彼女達の、騒ぐ声に紛れて
私は、小さな声で浅緋に言う。

「中に、いるね」

浅緋は、頷く・・・

私は、彼女の脇を通り
ドアを開けて、店内へと
入って行った。

私は、そのまま
お手洗いを借りる。

「あの人、先生の
 彼女さんですか?
 
 モデルさんみたい
 じゃなかったぁ?」

「うん、顔は
 よく見えなかったけど
 茶髪で、色が白くて
 ハーフなのかなぁ?」

「先生、確か
 最近、奥さんと別れた
 ばかりじゃなかった?」

その時、鴨下さんは
浅緋に、こう言った。

「先生、あの子
 ミウラさんですよね?

 ミウラ レイ」
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