紫御殿†Purple heart
私と、彼女以外

教室には誰もいない。

「みんなは、始業式で
 体育館だよ

 急いだ方がいいよ」

その時の、彼女の様子は
今思うと、少し変だった。

新学期だというのに
汚れた上履き。

いつも、早い彼女が
こんな時間に
登校して来るなんて・・・

教室を出ようとした私に
彼女は言う。

「ミウラさん・・・
 
 彼を、私に返して」

「何、言ってるの・・・?
 
 彼って、誰の事
 
 ・・・返すって何?」

「私、先生に抱かれたの・・」
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