紫御殿†Purple heart
最近よく、学校内で
浅緋と鴨下さんが、一緒に
居るところを目撃してしまう。

正確には、彼女と二人だけ
ではなく、他の部員の子達も
一緒にいるが

浅緋の微笑みが、彼女に
向けられているような
気がしてならない・・・

私と一緒に居る時間よりも
彼女と居る時間の方が長い。

「レイ、行くよ」

「うん」

私の後姿を、浅緋が見つめて
口元を緩め、微笑んでくれて
いたなんて私、知らない。

音楽授業・・・

流れる音を聞きながら
私は変わりゆく雲の変化を
見つめていた。

心地よい、秋晴れの空を
見つめていると

ふと、心が穏やかになる。

音楽室を出ようとした私を
呼び止めるのは
音楽の山岸先生。
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