紫御殿†Purple heart
「・・・
 雨に濡れる貴女が目の前に
 現れて、彼は貴女に心を
 奪われた
 
 悲しみの全てを
 忘れてしまう程に・・・」

『これ、使うといい』

片方の腕に通された
黒いスーツ・・・

眼鏡の下の瞳・・・

貴方から視線を外す事が
できなかった。

あの時、私が貴方に
惹かれたように

貴方も、私に・・・

「イズル君の事だから
 きっと、貴女に
 何も話していないと
 思ったの
 
 貴女が不安に思うことは
 何も無いのよ
 彼は、ミウラさんを愛してる

 貴女の愛だけを求めてる

 だから、彼の元に戻って
 あげてほしいな」

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