紫御殿†Purple heart
切れる着信音・・・

そして、また鳴り響く。

「電話の相手は、私?」

「そうだ、俺はお前からの
 電話だと、ミオに
 気づかれないように
 お前の名前を呼ぶ事を
 控えた」

そして、私に聞こえた
彼女の声・・・

『先生、片付けます
 いいですか?』

『ああ、頼むよ・・・』

電話を切った後、鴨下の
片付けが終わるのを待ち
美術室の電気を消して
二人は、廊下に出た。

廊下の蛍光灯が一本
今にも、玉切れしそうに
点いたり、消えたりを
繰り返す。

『先生、何だか
 気味が悪いね
 早く行こう』

『大丈夫
 これ一本ぐらい切れても
 辺りは、明るいままだ』
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