紫御殿†Purple heart
「俺が、教室の鍵を
 掛けようとした、その時
 ピシッと音が鳴るのと同時に
 蛍光灯の玉が切れた

 その音に驚いたミオは
 俺の腕にしがみ付いた」

「それから、カモシタさんは
 どうしたの?」

「ミオの手を俺から放そうと
 したその時、彼女は
 俺に抱きついてきた」

「・・・・・・」

誰もいない廊下に二人きり

彼女の腕が浅緋に食い込む。

『ミオ、離れて
 ほらっ、早く』

『いや
 私、離れない』

浅緋は、彼女の腕を無理やりに
解こうとしたが

彼女は、その手の力を緩める
どころか浅緋にしがみ付く。

必死に、浅緋を抱きしめる。
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