紫御殿†Purple heart
「アッちゃんに
 迷惑かけちゃ駄目よ
 
 分かった、レイ・・・
 
 聞いてるの、レイ?」

電話から漏れる母の
甲高い声に口づけは止まる。

「ママ、聞いてるよ
 もう切るよ」

携帯電話に、浅緋も耳を
傾ける。

「レイ、仕事で疲れてる
 アッちゃんに
 我が儘言わないのよ」

母の声が聞こえた浅緋は
私から携帯電話を取る。

「歓迎します
 レイの我が儘なら」

さっきのお返しとばかりに
今度は、私が浅緋の首筋に
キスを落し、そっと耳たぶに
唇で触れ、あまく噛んだ。

「あんまり、甘やかすと
 アッちゃんの手に
 負えなくなるわよ」

「分かってます」
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