紫御殿†Purple heart
母との通話を切る

浅緋・・・

「もう十分、手に余る」

「何が?」

貴方は、微笑んだ。

ベッドに、倒れ込む二人。

深い夜・・・甘い夜・・・

貴方に、触れる。

貴方に、融ける。

貴方と一つになる喜びに

この胸は熱く震える。

ベッドに横たわり
瞳を閉じる浅緋。

「ねぇ、アッちゃん
 
 いつから
 私との結婚の事
 考えてくれてたの?」

「最初から、考えてた」

「最初から・・・ 
 それなら、どうして
 言ってくれなかったの?
 私、不安だった・・・」

「言おうとしたさ、お前が
 俺に、束縛を願った時」
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