紫御殿†Purple heart
『レイ、おはよう』

『レイ、次、音楽?
 って事は
 俺も次、授業かぁ』

『レイ、寄り道せずに
 真っ直ぐ帰れよ』

レイ・レイ・レイ

私の名を呼ぶ声の方向には
いつも貴方がいた。

学校内で、貴方に
逢えなくなるのは寂しい。

「アッちゃん
 
 先生、辞めないでよ」

「レイ?」

「学校で、アッちゃんに
 逢えなくなるのは
 堪らなく寂しいよ

 私、我慢するから・・・
 
 卒業するまで
 寂しいけど
 貴方には近づかない

 アッちゃんはやっぱり
 先生じゃなきゃ駄目だよ

 先生以外の職業なんて
 似合わない

 貴方の夢を私は壊せない」

私も、覚悟を決める。
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