紫御殿†Purple heart
私が落ちた財布を拾おうと
したその時、鴨下さんは
サッと私よりも先に財布を
拾った。

「ざまぁみろって
 想ってるんでしょう?」

「想ってないよ」

「可愛いと、本当
 妬まれるから大変だわ」

もしかして・・・

「ねえ、まさか
 この間も貴女、カラオケ代を
 支払ったんじゃ・・・
 
 もしかして、あそこの
 ご飯代も貴女が・・・」

「あなたには
 関係ないでしょう
 
 放っといてよ」

「放っとけないよ
 確か、美術部の子も
 友達の中にいるよね?

 まさか、黒く塗り潰した絵
 彼女達の仕業なの?」

鴨下さんの顔色が曇る。
< 510 / 578 >

この作品をシェア

pagetop