紫御殿†Purple heart
「何、サワちゃん
 来てたの?

 どうしたの?」

「今、運動場で
 恒例フォークダンス
 やってるよ
 
 誰でも参加できるって
 踊ろうよ」

「女同士でフォークダンス
 なんて、やってやれるか
 そう、思ってたけど
 最後だもん
 
 レイ、踊っちゃいますか?」

「うん」

運動場・・・

踊っている人が少ないのも
毎年、恒例・・・

「恥ずかしくても

 踊ってやる」

気合を入れる七海に
私は、付いて行く。

私の瞳に、立ち尽くして
ぼーっとフォークダンスを
見つめている
鴨下さんの姿が映る。

私は、彼女の手を掴んだ。

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