紫御殿†Purple heart
「シドウ先生、こんにちは
 憶えてますか?
 
 アサノです
 アサノナナミ」

「もう、先生じゃないけど
 憶えてるよ」

「先生、こんにちは」

「先生じゃないって
 言ってるだろう
 
 ミウラ・レイ」

レイ・・・

貴方の低い声で名前を
呼ばれると、私の胸は
まだ、こんなにも
ときめいてしまう。

この場所に何の違和感も
無く、貴方は存在する。

「そうだ
 美術室に飾られてる絵
 見ましたよ
 
 シドウ・・・
 やっぱり、先生で
 
 シドウ先生は
 絵も描かれるんですね?」
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