紫御殿†Purple heart

そんな
新年を迎えたばかりの頃
私は、母と里湖ちゃんと
母の彼氏で、私の元彼の
稔と、食卓を囲んで
お雑煮を食べていた。

稔は、娘二人を前に
緊張のあまり、グラスを
倒してしまう。

零れる水・・・

「まあまあ、ミノル君
　そんなに緊張しなくても
　いいのよ」

失敗で、顔が真赤になる
稔を見て、里湖ちゃんと
私は、微笑み合う。

稔の世話を焼く母にまで
彼の緊張が伝わり
起したグラスをまた倒す。

「あらあら
　どうしましょう」

見ているこちらまで
緊張が伝わってくるのだった。

そんな頃、私の携帯電話が
鳴り響いた。

「もしもし、アッちゃん
　どうしたの？
　アッちゃんから電話なんて
　めずらしい・・・

　分かった、すぐ行くから
　待ってて」