紫御殿†Purple heart
いずるの胸に

抱かれるのは

これが最後・・・

私は、全身の力を抜いて
彼に身を委ねた。

貴方は、少し伸びた
私の黒髪に触れる。

「髪
 また、伸ばすの?」

「うん」

「そうか・・・
 
 レイ、最後に聞いて
 もう二度と言わない

 俺は、今でも
 レイ、お前が好きだ」

私の頬を、涙が伝う・・・

声にならない声で
私は貴方に告げる。

「ありがとう」
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