紫御殿†Purple heart
時は経つ

・・・暑い夏

一人きりで元気のない
私の母を心配した浅緋が
私の実家近くの一軒家を
新居にと探してくれた。

私達は今、その家に住む。

「アッちゃん、忘れ物無い?
 ハンカチ持った?」

「ああ」

玄関で靴を履いた浅緋は
振り返る。

そして、見つめる・・・

飾られた

浅緋といずるの

合作の絵・・・

レイの絵を・・・

『アサヒ
 小さい頃からずっと
 貴方だけが好き』

「どうかした?」

貴方は、微笑む。

「いや、何でもないよ
 行って来ます」
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