紫御殿†Purple heart
涙を止めることも

貴方を好きな気持ちを

止めることも

私にはできない。

貴方は困った顔をして
ゆっくりと私に歩み寄り

あの、雨の日と同じように
白いハンカチを取り出して
私の頬に当てる。

そうっと優しく・・・

ハンカチは、私の涙をいっぱい
含み湿っていく。

貴方は、優しい声で私に訊ねる

「・・・
 どうして泣く?
 何かあったのか・・・」
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