パパは芸能人♪



「たっ君が信じられないなら私に返してくれない?」



黙って聞いていたお嫁さんが口を開いた。




「信じきれなくてたっ君が辛い思いするんなら安易に付き合わないで頂戴」




「安易じゃない!!チャント“taka”としての五郎も“兎部崇五郎”としての五郎も考えて付き合ったんです!貴方みたいに壁にぶつかったからって逃げ出すような安易な気持ちじゃない」



言ってやった。




「こんなんで良いかしら?」



苦笑いのお嫁さんが五郎に向き直した。



「ありがとう義姉さん、やっぱり俺って愛され過ぎだよね」




「バカップルって言うのよ…ゴメンね歌恋ちゃん、今日はこの前の謝罪に来たの。主人がご免なさい」



頭を垂れた。



「義姉さんには言われてないんだけど?」




「夫の不始末は妻にも不始末なのよ」




頬を膨らませた。




「でもあの人、歌恋ちゃんを大分見くびってたみたいね♪初めて見たわ。笑っちゃった。相方の楓さんの事ばらさないから安心して?本当にごめんなさい」




この人はお兄さんを好きなんだってのが一目でわかる。






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