恋心
―夏花の家―
「ただいまー」
「あー、お帰り♪」
「今日の夕飯は?」
「そうねー、肉じゃがかしら」
「わかった。できたら言って
2階にいるから」
「はいはい」
そして私は自分の部屋へと
入っていった
「ハァーーー」
やっぱ、こうくんには彼女がいるんだ
当たり前だよね。
もう、高3だし、昔と違って
大人っぽくなってきているんだから
こうくんは、私のこと
妹って思ってる感じだし、
勉強を教えてくれたのも
私がバカだったから教えてくれたんだし
幼馴染だったから
仲良く接してくれただけなんだ。
今思えば、当たり前で単純な事なのに
私は変に期待してた。
バカだな。
“俺の彼女、カワイイだろ?”
その言葉が頭の中をリピートする。
グルグル、ぐるぐると流れている
幼馴染じゃなければ良かったのに…
どうやって、こうくんと顔を合わそう
何か、こうくんと当分会いたくないな。
こうくんに彼女がいるなんて
信じたくない。