恋心
私たちは家から出た。
「俺の後ろに乗って。」
「えっ??」
「いいから、早く。」
「うん…」
私は自転車の後ろに乗り、
自転車は走り出した。
こうくんとの二人乗りは慣れている。
いつもはこうくんの腰に手を回すけど
彼女がいるって思うと
やっぱり、やってはいけない気がして
できなかった。
「夏花。」
「なに?」
「何でいつもみたいに
腕を俺の腰にまわさねーの?」
「だって…」
「あっ、分かった。
俺に彼女がいるからか?」
「うん。まぁ…」
「ハハハ!心配ないって。
夏花のこと、良く彼女に話してるし
だから幼馴染で俺の妹みたいなもんだ
ってのも知ってるから、心配すんな!!」
「うん、分かった」
そう言って私はこうくんの腰に
腕をまわした。
…俺の妹みたいなもん。か。
やっぱり私のこと、
妹のようにしてしか思ってないのか…
彼女がいるからしょうがないよね。