恋咲
南美は口を開こうとしたがそれを許さない俺は南美の唇に俺の唇を合わせた。
南美はビックリしていた。
…なんでわかるかって?
何も反応がなかったから。
衝撃的すぎて拒む事を忘れたのだろう。
すると、数十秒後、
「ん~、ん~!」
苦しくなったのか俺の胸をポカポカと叩き出した。
…ちっ。
そろそろ離れてやるか。
俺は南美から唇を離した。
すると、南美がハァハァとまた肩で息をしていた。
ふっと微笑した俺。
…可愛すぎだろ。
息の仕方もしらないなんて。
って俺はこれがファーストキス。
なのに知りすぎか?
やっと呼吸が整ったのか俺に向かって「…竹井くん?なんでこんな事したの!?もしかして遊んでるの!?」と言った。
いやいや、俺は遊びなんかでキスする奴じゃねぇよ。
お前が…南美が好きだからキスしたんだ。
「…南美が好きだからだ」
そうハッキリ言うと、南美は顔を真っ赤にして俯いた。
そんな南美が可愛くてまた抱き寄せた。
「た、竹井くん!?」
南美は驚いていた。
その可愛い声が、その潤んだ瞳が、その1つ1つの表情が、全部が愛しくて俺はつい聞きたくなった。
デリカシーのない事を…。
「村田って誰?」
その可愛い声で俺以外の男の名前を呼ぶなんて許せなかった。
俺だけを見てほしい、俺の名前だけを呼んでほしい。
好きだから…つい束縛したくなる。
彼氏でもないのに…。